歯磨剤へのフッ化物配合量について1

世界保健機構(WHO)は、1992年に「先進国の小児ウ蝕減少の最大要因は、フッ化物配合の歯磨剤の普及」と報告しまた、信頼できる臨床研究をまとめたシステマティックレビューでは「フッ化物配合の歯磨剤のウ蝕予防効果は20~30%」とされています。いまでは身近になったフッ素とウ蝕予防の関係について考えたいと思います。

2017年3月、日本の歯磨剤へのフッ化物配合濃度が、いままでの1000ppmから1500ppmへと上限が引き上げられました。
そこで、歯磨剤のフッ素濃度が1500ppmに増えると、ウ蝕予防効果はどれだけあがるのかと言う単純な疑問が湧いてきます。
1994年に発行されたWHOのテクニカルレポート「フッ化物と口腔健康」では、フッ化物配合の歯磨剤のウ蝕予防効果は2~3年間で25%程度ですが、フッ化物配合濃度が1000ppmを超えると、500ppm増加するごとにウ蝕予防効果は6%づつ向上すると報告しています。

一方で、スウェーデンの研究者が行ったシステマティックレビューでは1500ppmのフッ化物配合歯磨剤は、1000ppmに比べ」、2~3年間で9.7%ウ蝕予防効果が高いと報告しています。
さらに、フッ化物配合濃度が1000ppmよりも1500ppmの歯磨剤がウ蝕予防効果が高いことを示すデータは他にもあり、その差が21.8%、14.4%という報告もあります。このうち、21.8%と最も高いウ蝕予防効果を示した調査地域は、水道水フッ素化地域である点も興味深い点であります。

こういった様々な結果は、歯磨剤の使い方を厳密に規定しないで臨床試験を行った結果を反映しているとも思えます。なぜなら、フッ化物配合歯磨剤の多くの研究結果が①その使用回数が多いほど、②使用後の口すすぎの量が少ないほど、③歯磨時間が長いほど、高いウ蝕予防効果が得られることが示されているからです。以上の結果をまとめると、次のようになると思います。
①フッ素配合量1500ppmの歯磨剤は1000ppmに比べ、ウ蝕予防効果が高い
②システマティックレビューにやればフッ化物1500ppm配合の歯磨剤は1000ppmの場合より約10%高ウ蝕予防効果がある。



クリニック案内ページへ

歯科治療ガイド HOME に戻る

PAGETOP