睡眠呼吸障害と歯科的治療 4

OSAに対する治療法としては、医科歯科連携による治療が必要であり、減量や側臥位睡眠などの生活習慣の改善と共に保存療法や外科的療法などが行われており、1)経鼻的持続陽圧呼吸(CPAP)療法や2)口腔内装置(OA)治療について前回まで説明を行いましたが、もう1つの治療法として3)外科療法という方法があります。
        
OSAに対する外科療法としては、扁桃摘出術、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術、レーザーを用いた口蓋垂軟口蓋形成術、舌縮小、舌骨挙上術、上下顎骨前方移動術などの種々の手術法が用いられてきましたが、その適応や効果については様々な報告があります。

扁桃肥大を認めるOSA患者では、アデノイド切除術ならびに口蓋扁桃摘出術が第一選択であり、手術により症状は著明に改善する。桃摘出術により改善しない場合は、肥満や顔面形態、アレルギー性鼻炎などの関与を検討すべきと考えます。

口蓋垂軟口蓋咽頭形成術やレーザーを用いた口蓋垂軟口蓋形成術については、有効率が必ずしも高くないとの報告や有効であったものの長期的に舌根部における気道狭窄によりOSAが重症化した症例などの報告もあり、適応となる症例の選択が重要と考えます。

近年、OSA患者に対する上下顎骨前方移動術が欧米では広く行われるようになり、その有用性が報告されている。本法は、上顎骨の切り取り術と下顎枝矢状分割法ならびにオトガイ形成術などの顎矯正手術によって上下顎骨を前方に移動させて気道の拡大を図る治療法であるが、国内では適応基準が明確でない点と日本人は短頭型であることから術後に上下顎前突用の顔貌になりやすい点などから、あまり積極的に行われていない。日本人OSA患者に対する上下顎骨前方移動術の適応基準や顎骨移動に伴う症状改善の予測などの検討は、未だ途上ではあるが、顎骨が頭蓋に対して後方位にあるOSA患者では、顎顔面歯列形態の外科的矯正治療として上下顎骨前方移動術が根治的な治療法に成り得ると考えます。



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