効果的な歯磨きの難しさ(7)

患者さんからの言い分や言い訳が増えた時には「あなたにとって本当に大切なものは何でしょうか」とたずねるようにしています。

忙しい日常を一旦忘れて立ち止まり、自身の身体の大切さに気づける時間を提供することもブラッシング指導の大切な項目の一つではないでしょうか。それでもセルフケアを行えない患者さんがいらっしゃいます。それがご本人の「その時の意思」ですから、それはそれで仕方ありません。そのことを責めたりはしませんし「してください」と強要することもありません。

しかし、私たちのもとに通い続けて下さるのならば、私たちは歯科医療人として説明責任を果たし続けることになります。毎回気持ちをリセットして「今の状況」を伝え続けます。「どうしたいか」「どうありたいか」を問い続け、自己決定を待ち続けます。きっと必ず、どこかで、その方のターニングポイントが来るはずと思います。

重要なのは、患者さんが自ら決定して行動し、口腔をご自身で守ることです。そしてそれは私たちのサポートがあって完成します。患者さんの人生の中での事情に合わせて、その都度サポートとセルフケアの比重を調節すれば良いと思います。

歯科医療人は、患者さんには耳の痛い現状をお伝えすることも多々あります。しかし私たちは常に患者さんの味方です。相手を思い、否定することなく、寛容な気持ちで温かな声と表情で接する姿勢が大切であるのではないでしょうか。そうすればきっと、患者さんの意思と行動が変化するターニングポイントを共に迎えることができるでしょう。
それもまた、私が考える支援の形の一つと考えます。



クリニック案内ページへ

歯科治療ガイド HOME に戻る

PAGETOP