歯磨剤へのフッ化物配合量について 2

フッ化物配合歯磨剤のう蝕予防効果の臨床研究は1980~90年代までで若年者のデータが多いことが目立ちます。

臨床研究は膨大な症例数と年月が必要ですが、近年のう蝕減少により症例数確保が難しいと同時に、大人は長期間の拘束や継続した経過観察が困難なため十分なデータを確保することが大変難しいとされています。しかし、う蝕発現やフッ素の予防メカニズムは①現在と過去での違いはない、②若年者と大人も差がないため過去の若年者のデータでう蝕予防効果としても問題はありません。

う蝕予防の臨床試験は1980~90年代のう蝕が多発した時代は、1~3年という比較的短期間で、試験群と比較対照群で100人規模の被験者で、十分な統計的有意差ができました。しかし、現代ではう窩に至る速度と、ウ蝕の罹患率が低下し、同様の被験者数で1~2年の臨床試験期間では、統計的に満足のいく結果が得られにくくなっています。統計的的に満足のいく結果を得るには、被験者数が数千人規模、臨床試験期間も2年以上が必要とされるためう蝕予防の臨床比較試験の実施は困難になっています。

また、2~3年の期間で被験者をフォローしていく臨床試験は、多くが仕事を持っている成人では長期的な試験参加が困難で、試験データが少ない一因となっています。
一方、若年者は移動も少なく、学校で定期的に健診ができることから対象としやすいといえます。

う蝕発生のメカニズムや、歯磨剤配合のフッ化物の作用機序は、大人と若年者で差がないことから、若年者を被験者とする臨床試験結果は「小児」や「大人」にもあてはまると云うのが学会の見解となっています。



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