歯周病のあらまし(3):歯周病治療のゴールは何かと問われれば

歯科医院に行くと、先生の他に何人かのスタッフの方の姿を見かけると思います。その中に「歯科衛生士」と云う資格(都道府県知事免許所持者)を持った方がいて先生の指示の元、患者さんの口腔内に必要な処置・施術等を行っている場面を見ることがあると思います。この歯科衛生士のお仕事のなかに、歯の掃除やメインテナンス業務があり、歯周病の大部分はこの歯科衛生士の受け持ち分野で治すことができると言えるのではないでしょうか。

歯周病治療のゴールは何かと問われれば、さまざまの教科書には歯周ポケットの深さを基準にしているものが多く見られます。しかし、その数値を何mmにすれば良いと云う数値は実はどこにも書かれていません。歯科医療従事者に「歯周病治療のゴールはポケット何mmにすれば良いか」と聞くと、多くの人が3mm以下と答えます。その数字はどこから来ているのでしょうか?健康な人の正常なポケットが大体3mm以下だから歯周病のゴールも同じだと思い込んでの答えと思います。

歯周病のゴールには「ポケットの深さ」よりも大切なものがあるのです。
例えば、同じ部位を4回ポケット測定して、4回連続して出血した部位は、4年間で歯周病が30%進行しましたが、毎回出血していない部位の歯周病は98.5%が進行しないことが分かっています。

極端に言えば、ポケットが10mmあったとしても、出血しなければ歯周病は進行しません。
ポケット測定時の出血(Bleeding on Probing : BOP)は言うまでもなく歯肉縁下の炎症症状の指標となります。そして、炎症こそが歯周病の本体ですので、この研究結果からBOP、つまり炎症をコントロールすることが歯周病治療における重要なファクターであることがわかると思います。つまり、歯周病のゴールは、メインテナンスによって「歯周病が進行しない=出血のない」ポケットに改善すること、つまりBOPゼロにすることが目標となります。

そのためには、歯科衛生士さんから指導を受けた「歯の磨き方」を日々実践し、自分の描いているように、思っているように磨けているかどうかのチェックをしてもらいましょう。何十年とやってきた磨き方を変えていくことは大変難しいことと思いますが、コツコツと地道に頑張りましょう。



クリニック案内ページへ

歯科治療ガイド HOME に戻る

PAGETOP