小学校の歯科健診での傾向(2)

前回の項では、う蝕に関しては減少傾向にあると記述しましたが、歯科の2大疾患のもう片方である歯周病については、大きな危惧を感じています。

ある小学校と中学校での歯科健診結果のうち、歯肉炎の状態を次のように二つに分類する。歯肉炎のうち、G0(歯肉に軽度の炎症兆候はあるものの歯石はなく、適切なブラッシングによって改善できるもの)、G(歯肉に炎症症状があり、歯石の沈着も認められるため、検査と治療が必要なもの)に分類した場合、その検査結果から、着実に歯肉炎の傾向が強くなっていることが分かりました。

強調すべきは、小さな頃からフッ化物洗口を行い、歯みがきについてもある程度習慣付けられており、DMFT(12歳児の永久歯の一人当たり平均むし歯経験指数)に関しては、素晴らしい結果を出している子どもたちであるにも関わらず、歯肉炎については全くの手つかず状態とも言えるデータが出ていることだと思われます。

地域によっては、春の健診で歯肉炎の結果があまり良くない児童生徒に対しては、個別にブラッシング指導を行ったり、学校・地域・家庭の3者で組織される学校保健委員会においても、ブラッシング指導を行ったり、その時々の歯科健診結果の説明を行っている所もあります。当然、歯肉炎が増加傾向にあるときには、特に力を入れての説明になることと思います。

とりわけ、春だけでなく秋にも学校歯科健診を行い、個別指導や学校保健委員会での念入りな説明を行った後には、G0は健康歯肉に、GはG0へと改善する変化を確認することが出来るそうです。

つまり、歯肉炎をターゲットにして指導を行えば、また各家庭に対する歯科保健意識の向上を図れば、素直に状況は改善する、と云うことだと思います。そしてこれは同時に、少しでも気を抜けば、再び症状の悪い子どもたちが増えてくる、と云うことも意味しています。う蝕はフッ化物洗口を実施することでかなりのレベルで抑えることが可能と言えると思います。

今後はむしろ、子ども時代からの歯肉炎への対応の強化が大切であると感じています。また、子ども時代の歯肉炎への対応が大人にになってからの歯周病予防に大きく関係してくることは明らかです。



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