在宅医療における医科歯科の連携(2)

医科歯科の連携において、まずはお互いの顔が見える関係作りが必要となります。
現実問題として私たちのお手伝いを必要としている患者さんはたくさんいらっしゃるわけですから、できるところから地道に始めていく以外に方法はありません。

例えば、「訪問診療に取り組みたい」と考えている歯科医は同じ地域で訪問診療に取り組んでいる医師にコンタクトをとり、食事やミーティングの席を設けるなどしてコミュニケーションを図った上で、一つの事例に取り組んで成果を出す、と云うプロセスです。医院での診療とは異なり、訪問診療では完全な治療よりも、患者さんの状況を見極めた上で「こう対処したほうがよさそうだ」と遂次判断しつつ、応用的な処置を施すケースが多くなると思います。

そして、その判断の土台になるのが、患者さんの全身状態に対する認識であると思います。つまり、医科が把握している情報を歯科も共有し、両者が同じ治療方針を持ち、また治療だけでなくケアにおける連動も図る、と云う密接な関係性がなければ、本当に意味のある医科歯科連携にならないものと考えます。訪問診療を行う医師は、疾患の種類によらず心身各部の診療の求めに応じ、継続して患者さんの生命と生活に責任を持ち続けることが求められます。

例えば、皮膚科の専門医でなくても、内科医が寝たきりの方の褥瘡性潰瘍(床ずれ)の処置を行うことはよくあることです。しかし、同じように口腔内についても対応できるかといえば、かなり分野が異なると思いますし、専門的な教育も受けていないので不可能と思います。従って、このような場合は、歯科の専門家にきちんとコンサルテーションするところまだが訪問医の責任となるのではないでしょうか。そしてそのためには、どの地域にどのような専門性を持った歯科医がいるのかを内科医等が把握し、必要に応じて患者さんを紹介できるだけの信頼関係とネットワークを構築する、と云うことが必要と思います。

訪問医がこれまでに歯科に紹介してきた在宅の患者さんたちは、逆に言えば訪問医の紹介がなければ歯科診療を受けられなかった方々でもあります。外に出られない在宅の患者さんと、歯科医院から外に出ない歯科医は、そのままの状態では出会うことがでないものと思います。

要介護者数は600万人とも言われています。その大部分は歯科の力を必要としているのではないでしょうか。今後益々のより深い、緊密な連携関係作りが必要であると感じています。



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