高齢者の歯科治療(3)

高度医療の発達も加わり、平均寿命も延び世界でも類を見ない高齢化が進み、ついに「4人に1人が高齢者」の時代を迎えました。

これからの歯科の分野には「歯科疾患の治療」だけでなく、要介護状態の高齢者等における摂食、嚥下障害を中心とする「口腔機能障害の改善」も求められることになると考えます。この「口腔機能障害の改善」とは、何を意味するか、それを判断するためには、まず患者さんの置かれている状況を正確に把握する必要があります。

例えば、大きな枠組みで考えただけでも、急性期病院に入院している状況と、回復期病院に移行した状況、そしてその後に在宅に戻った状況では、患者さんの健康状態は全く違いますから、それぞれの状況で歯科医療に求められるものも変わってきます。その大きな枠組みごとの対応を行った上で、実際にはさらに、一人ひとりの固有の症状に対応をしなければなりません。

最近では、医科領域における「口腔ケア」の重要性がよう言われるようになりました。それ自体は良いことなのですが、その「口腔ケア」が単に「清掃」のみを意味しているようでは不十分のように感じます。

口腔ケアの内容は、大きく分けて「口腔清掃」と「機能訓練」の2つになります。従いまして、口腔ケアの実施時には、求められていることが「口腔清掃」なのか「機能訓練」なのかを常に考える必要があります。

さらに、同じ「口腔清掃」「機能訓練」でも、その内容には「治療的」なものと「維持的」なものがあります。ここで云う「治療的」とは、歯科専用の機械によって行う専門的なケアであり、一方の「維持的」とは、いったん専門的な口腔ケアで改善した状態を維持するために定期的に行うケアと捉えています。

以上を踏まえると、歯科医療が訪問診療で口腔ケアの介在する際の内容として、「口腔清掃」「機能訓練」および「治療的」「維持的」の要素を総合的・複合的に考え、設定できる4つのステージについて次回より具体例にて考えてみたいと思います。



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