歯周病:プラークコントロール(歯垢除去)について(4)

セルフケアを重視することは、治療に伴う患者さんの口腔内へ侵襲を抑えることにも繋がります。

脱灰病変でも歯肉炎でも、まずはセルフケアをメインに据えて状況の推移を観察し、その後で初めて治療判定を行うようにすれば、天然歯の摩耗や歯肉粘膜の損傷を最小限度に留めることができます。治療プランの設計段階からセルフケアを組み込むことが出来れば、非常に合理的な治療を行うことが出来ます。

ただし、そのためには「セルフケアで治療が完成する」と云う意識を医院全体で共有しておくことが大前提となります。これが実現出来れば、患者さんは受付から診療室まで、どの場面においても同じゴールを目指した助言を受けることになります。

その結果、患者さんのセルフケアに対する意識の高さが維持され、口腔内の改善スピードが早まると云う素晴らしい結果をもたらします。

医院全体でセルフケア意識を共有できた以前と以後で、長年継続して来院されていた患者さんの口腔内が劇的に変化する様子を目の当たりにすると「これほど成果が違うのか」と感動を覚えます。あれこれ使う用品を増やしてケアの時間も増やせば、口腔内の状態は一時的には向上するでしょう。

しかしそれが患者さんの負担になってしまうと、長くは続きません。ケアの時間は極力変えずにいかに効率を上げるかと云うことがセルフケア処方のコツとなります。

例えば、平滑な部分はみがけていて、隣接面プラークが付着が集中しているような場合、「今までと同じ時間の中で、ハブラシ3割、フロス7割の配分」でのケアを提案します。そして、その結果を次の来院時に評価し、状況に応じて比率や組み合わせを変えていきます。

また、ケア時間の短縮のために電動ハブラシ(音波歯ブラシを含む)をよくご紹介することがあります。簡単にスピーディに結果を出せる方法を構築することも「セルフケア継続」の秘策と言えるのではないでしょうか。

セルフケアの処方は、まず目の前の患者さんの口腔内をよく観察することから始まります。そして、患者さんのライフスタイルや個性、あるいは人生のステージにも寄り添った上で、固定観念に囚われることなく、様々な組み合わせにチャレンジし新たなセルフケア法の構築を考えましょう。

そうした姿勢こそが「オーダーメイド発想のセルフ処方」の実現に繋がっていくものと思っています。



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